ガラス作家竹本亜紀さんの“ツヅレオリ”と題したシリーズを目にした時、パウル・クレーの絵を思い出した。多数の色面が組み合わされてできたモザイク模様が奏でる美しいハーモニー。ただしクレーの計算し尽くされた絵が緊張感を感じさせるのとは逆に、彼女の作り出す絵は優しく奥深い。幾重にも重なった色が濁ることなく響きあっているのはガラスという透明な素材の特性を素直に生かした結果と言えるだろう。 今回の個展ではモザイク模様の入ったオブジェと平皿に加え、アクセサリーや花器なども出品される予定である。
梨本さんの優しい表情の作品の前に立つと、自然に手が伸びその土肌に触れたくなる。 土ものらしい柔らかい雰囲気を醸し出しているのは、洗練されたデザインのベースとして施された二つの素材、白化粧と布目によるものだろう。 彼女は自分の作り出す器が 置いてあるだけでも、目に楽しい 盛り付けてみれば、より美味しい 手に触れれば、使い心地のいい ものであって欲しいと願う。 大丈夫。器たちは期待通り健やかに見目麗しく育っている。
まだ二十代ながら、その高い技術で日本のガラス界で注目されている佐々木さん。吹きガラスによるクリアな作品は端正で気品あふれるものである。決して声高に話しかける作品ではなく、静かに心に染み入るように語りかけてくる。真摯な作家自身の姿勢を表しているかのようだ。彼は常に、綺麗なものとは何か、良いものとは何か、問い続けながら制作をしているという。 今回は、クリアな作品に加えて銀彩を施したスモーキーなグラスなど、秋の夜長を楽しむのに相応しいシックな器約100点が展示される。
in preparazione
上絵磁器を専らとする渡邊さんは、様々な色を自在に使いこなし器に幾何学模様を施していく。朱や赤、緑やブルーが気品よく鮮やかに艶めく様はときとして漆器を思わせるものがある。かと言って決して重々しい雰囲気ではない。金銀彩も加え、一体何回窯入れしたかと思うほど手が込んでいるのだが、出来上がりはさりげなくフレンドリーである。使い手によって、和にも洋にも遊んでもらえる楽しい器たち。今回は写真の焼酎杯など小品を中心に発表する。