白くて、ふくらんで、しぼんで、しわが寄って、泡立っている・・・。そんな常識を覆すガラスを想像したことがあるだろうか?それが、神代さんのガラスだ。
こだわるのは、白。「白の非情さと確かさに惹かれる」という。感情を拒むような白
の中にも、「前進への起点に転化しようとする想いを感じる」と、神代さんは言う。
命の始まりと終わりに思いを馳せる繊細さや、ガラスの中に物質の始まりと終わりを
読み解いていくような筋道だった思考から紡ぎ出された言葉だろう。
その哲学とでも呼びたいほどの思いを、作品として具現化させるのは確かな技法だ。
発泡剤を混ぜたガラスを型に入れて焼成し、それを二度焼きして、さらに奥深い表情
を生み出す。こうした複雑な制作過程についても、作家は「白くて柔らかいガラスを
ショリショリとほじくっている」と控え目に、少々のユーモアを加えて表現する。
そうして存在する作品の周囲には、清澄な空気が漂っているのである。 |