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ガレリアアッカ
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2011年1月

 
  ●1月15日(土)〜1月22日(土)      
  松本由衣 漆展      
 

ともすれば、取り澄ました印象を持たれがちな漆。そこに清新なデザインを持ち込んだのが、松本さんだ。切り株が醤油さしとなり、小箱の蓋には、ガラスのサボテンがちょこんと乗り、雲間に光る稲妻は箸置となる。ユーモアやウィットを漂わせながらも、端正な造形は、松本さんならではの美しさだ。

「木や漆の持つ魅力に圧倒されながら、いかにその”良さ”を活かそうかと考える日々。身近にあって、生活を豊かにできる作品を目指したい。」と語る。食器、花器を中心に展示される。

  yui
2011年2月

 
  ●2月5日(土)〜2月12日(土)      
  山下秀樹 陶展      
 

山下さんの作品に出会うと、デザインのすばらしさと多様性に驚かされる。スタイリッシュ、暖かみ、華やかさ。表情は様々だが、いずれも確かな造形の力に裏打ちされて、品が良いのだ。矩形のスタイリッシュな醤油さしは、いぶし銀のような光沢を放つ。

現在取り組んでいる「銀化天目の器」は、鉄を燻す焼き方で、窯変性なので毎回表情が異なり、窯出しが楽しみだという。一方、柔らかいラインのポットやカップは、暖かい表情だ。「土鍋や直火ポットで、ごはんや野菜をおいしく食べてほしい」と、山下さんはどこまでも控えめである。冬の食卓にふさわしい器が見つかるはずだ。

  yamashita
  ●2月19日(土)〜2月26日(土)      
  細川進 油彩画展      
 

ACCa で3回目となる細川進の個展。今回は、油彩画によって、乾期に訪れたラオス北部の町、ルワンパバーンを回想する。
旧王宮や寺院など数多くの歴史的建造物が残る町は古都として世界遺産に登録され観光客も多いが、都会の喧騒からは程遠いとても静かな町である。
手付かずの豊かな自然を背景に、メコン川の恵みによって大らかに暮らす人々。彼らを取り巻く身近な自然と穏やかな仏教徒としての表情を伝えることができたら望外の喜びと作家はいう。

  hosso_3
2011年3月

 
  ●3月12日(土)〜3月19日(土)      
  稲葉浩之・川口江里 陶磁展      
 

「日々の暮らしを、すこしだけ和ませてくれるようなものを作りたい」と、語る川口さん。伝統の佇まいを漂わせながらも、古めかしさから解き放たれている。たおやかでおしゃれでシンプルな器にはファンも多い。今回は、おなじみの灰志野釉、白釉、鉄色に、春らしい色が加わるのも楽しみである。

「磁土の中から何が生まれてくるか、私の好きなカタチを探してみたい」という稲葉さんの器は、すっきりとした清潔感と暖かみを合わせ持っているようだ。ボウルや皿といった食器以外にも、何が出てくるのかと、いたずらっぽく語る。

調和し合う二つの個性が、互いを引き立て合う作品の展示を、ぜひご覧いただきたい。

  eri
  ●3月26日(土)〜4月2日(土)      
  西川美穂 金工展      
 

西川さんの作品は金工ながら、柔らかい光沢、柔らかいフォルムが特徴的だ。時々、不思議な形や思いがけない仕掛けが顔を出すのも楽しい。見れば見るほど発見がありそうなのだ。

「ひとくせあるもの、何か秘密を持っているものづくりをしたい」と話す西川さん。作品を通して人と出会い、新鮮な驚きを感じ合えれば、と語る。

今回はさりげないのに実に使いやすいカトラリー、魅力的な「はこ」類、アクセサリーなどが出展される。お気に入りの一品をぜひ見つけていただきたい。

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2011年4月

 
  ●4月16日(土)〜4月23日(土)      
  竹本亜紀 ガラス展      
 

ガラスらしい磨き上げた透明な質感に、色彩が何層にも重なり合うプレートや塊。過去二回のアッカでの個展で、その絵画的な美しい世界に魅せられた人も多いはず。

今回はそれらに加えて、少し深さのあるボウルも制作中。でも竹本さんらしく、使えるものを意識するというより、装飾的な観点に重きを置いた作品にしたいと語っている。「ぼこぼこと荒れた表面」にするなど、新たな表情にも挑戦中だ。好評のアクセサリーに加わったリングも、サイズやデザインに幅を持たせるというから、いっそう楽しめる展示になりそうである。

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  ●4月26日(火)〜4月30日(土)      
  稲葉浩之・川口江里 陶磁展(Part 2)
―東北関東大地震による被災地の復興を祈って―
緊急企画    
 

3月11日(金)午後、稲葉さんと川口さんはガレリア・アッカにて搬入作業中にあの大地震に遭いました。搬入作品は無事でしたが、福島県いわき市の彼らの工房は被災してしまいました。翌日からの「二人展」は予定通り開催、終了しましたが、混乱の中、いらっしゃれなかったお客様も多かったのではないでしょうか。

今回改めて「二人展」を開催致します。今回の売上は、被災地のために何かしたい、役立ちたいと切望しているお二人から、全額、義援金として寄付されます。

どうぞお二人の被災地復興への願いをお汲み取り下さり、お出掛けくださいますようお願い申し上げます。。

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2011年5月

 
  ●5月6日(金)〜5月15日(日)      
  ガレリア・アッカ 5周年記念展      
 

ガレリア・アッカも5周年を迎えます。ささやかながら、皆様と若い作家とを結ぶ場になれたことは、大きな喜びです。これも、皆様からの力強いご支援があってこそと、心から感謝しております。
5周年を記念して、「注ぐカタチ」をテーマに、これまでの展示作家20余名に制作をお願いしました。「注ぐ」本来の意味に加え、温もりを分かち合うイメージも込めて・・・。陶磁器、ガラス、金属と、素材も技法も個性も異なる作家の作品が、一堂に会する様子は、力あふれ、互いに響き合い、見る人を十分に楽しませてくれるはず。会期も通常より長めです。ぜひご覧ください。
さらに、この度の大災害に少しでも力になれればと、会場にチャリティコーナーを設けます。作家から無償で提供された作品と、アッカ所有の作品を、お求め易い価格で販売し、売上を寄付したいと思っています。
ぜひお運びくださいますようお願い申し上げます。

  5th
  ●5月21日(土)〜5月28日(土)      
  南 時俊 鋳金展      
 

南さんの作品は、時の衣をまとっているかのようだ。あたかも長い年月を経て、見る人の遠い記憶にそっと触れる、そんな存在感を漂わせている。

鋳金という技法は、イメージをあらかじめ形にして鋳型を造り、金属を流し込む。それ故か、南さんは真摯に形を追究する。「ものの形には理由がある。形そのものに意味がある。本来の意味や機能を失い、たとえかけらとなっても、人に語りかける強さを持った『意志ある形』がつくれれば・・・」と語る。

静謐の中で物語を紡ぎ出す南さんの作品を、ぜひ楽しんでいただきたい。

  nam2
2011年6月

 
  ●6月4日(土)〜6月11日(土)      
  岩瀬 明子 ガラス展      
 

自然界の風や水や木々の緑を映しとったかのような、澄んだ繊細な色合い、スマートなフォルム。岩瀬さんの作品は、見る人がガラスに寄せる素直な思いや期待に見事に応えてくれるはずだ。

「見ているうちにガラスの内側の空間に入り込んでしまいそうな、そして遠目に見てもうっとりするような作品を目指している」と、語る。北欧に学び、現在は北陸で制作をしている作家は、山歩きや自然に触れることと、ガラスの仕事を循環させながら生きていきたいという。

うっとりとながめるもよし、あるいは手に取り、用の器としてもぜひ使って頂きたいと思う。

  iwase
  ●6月18日(土)〜6月25日(土)      
  小川 由利子 染付展      
 

小川さんの染付は、滑らかな形と表面に藍色の絵柄という旧来の染付のイメージを、軽々とかわしているようにみえる。それでいて、古典的な柄や型の安定感は、しっかり受け継いでいるのだ。

「形にとらわれない藍色の世界を楽しんでほしい」と、語る小川さん。古くから親しまれている染付だからこそ、「とらわれない」ことの難しさは当然あるはず。しかし作品には、作家自身が楽しんで作っているという、遊び心、魅力があふれている。

今回、食器の他に、話題のタワーや船のオブジェ風の器も展示。ますます楽しみである。

  ogawa
2011年7月

 
  ●7月9日(土)〜7月16日(土)      
  おなじでちがう日 木村倫子イラスト展      
 

木村さんが描く女性の後ろ姿や猫は、ふとした瞬間のなにげない動作なのに、実に気持ち良さそうに存在している。かと思えば、視線は突然地上10センチに移動し、膝小僧や足元などがクローズアップされる。落ち着いた色遣いと相俟って、自由にして爽快感が漂う。

見る側は意外な切り口に驚きながらも、「ああ、こんなこともあったなあ」と、自らの記憶をたどる。こんな作用を「日々をふちどるようなイラスト」と、木村さんは呼ぶ。誰のと特定するのではなく、記憶の輪郭をなぞるようなイラストを目指したいという。

今回も、紙、布、糸、アクリル絵具、水彩絵具、刺繍など、素材の暖かさと手仕事の多彩さを感じる展示になるというのも、楽しみである。

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  ●7月23日(土)〜7月30日(土)      
  加藤仁志 陶磁展      
 

しのぎの跡も美しい粉引きの器。すでにお手元にあって、食卓の常連としているファンも多い加藤さん。いつも変わらぬ人柄と姿勢で、「使いやすくシンプルなデザインを目指している」と
控えめに語る。

簡潔な言葉だが、洗練されているのに、高みに立たず、和にも洋にもしっくり合う器はそうはない。きりっとした静かな佇まいと、暖かさとが共存している。山で自ら手掘りした土を用い、自然の温かみを大切に制作する日々が生み出すのだろうか。

アッカ4回目にして、初の夏の会期。従来とひと味違う雰囲気、器にも出会えそうである。

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2011年9月

 
  ●9月10日(土)〜9月17日(土)      
  よぎ みちこ 陶磁展      
 

ちょっととぼけた動物達の蓋物は、じつに楽しい。ふくらんだ胴体。かぶり物を着けた頭に、上げ気味の顎。小さい目でこちらをちらっと見ては、すっと逸らす。「お邪魔はしませんよ。でも、ここにいるからね。」とでも、言っているのだろうか。

子育ても家事も、生活全体を味わいながら制作するよぎさん。柔らかいフォルムと、シンプルでおおらかな絵柄が魅力的なその作品は、人をほっとさせるような優しさを発している。

蓋物の他に、ミルクパン、カップなども展示される。どれも使いやすく、日々の生活に楽しさを加えてくれること受け合いである。

  yogi
  ●9月24日(土)〜10月1日(土)      
  太田良子 ガラス展 ―コトバと隣りにあるもの―      
 

「割れる」ことも、ガラスの重要な魅力なのだという太田さん。予想外の話に驚くと、割れる不自由さは、溶かせば新たなカタチに生まれ変わる自由さでもあると語る。この柔軟な発想と確かな技術が、様々な光を閉じ込めた美しい作品の源なのだろう。

日溜まりの温もりを閉じ込めた暖かな光。太古の静寂を閉じ込めた氷河のような青。冬枯れの大地を思わせる色合いに潜むのは、青々と繁っていた季節の記憶か、それとも芽吹きを待つ小さな息づかいだろうか。そんなガラスが語るたくさんの物語に、ぜひ耳を傾けて頂きたい。

  oota
2011年10月

 
  ●10月8日(土)〜10月15日(土)      
  内藤裕子 絵画展      
 

いくつもの色合いを内包した淡い背景に、風のそよぎ、木々のざわめきを写し取ったような、繊細で動きのあるライン。抽象画であるのに、どこかで見た風景のようにも思える。その静かな画面は、紗幕を通して見る舞台のように、見る側の視線を奥へといざなう。

「こころのかたち」と、内藤さんは呼ぶ。過去、未来、夢、現実、あるいは希い。「こころが記憶する確かなかたちを見出すと、安堵するのだ」ともいう。映画プロデューサーとして世界を駆け巡る内藤さん。同時に、時空を超えて旅をしているのかもしれない。魅力に充ちた抽象の世界に、ぜひ出会っていただきたい。

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  ●10月22日(土)〜10月29日(土)      
  梨本美保 陶磁展      
 

柔らかい筆づかいの実や花、そして縞模様。和風モダンとでもいうような、和風絵柄で定評のある梨本さん。優しさが立ちのぼってくる器は、使っても優しいと感じているファンも多いだろう。

今回は、「シンプルでありながらチャーミング」を目指していると、梨本さんは語る。クラフトの原点である北欧デザインをイメージした新シリーズに取り組んでいるという。従来の白化粧や布目を生かしながら、「北欧」が梨本さんを通してどう変化するのか、楽しみな展示になりそうである。

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2011年11月

 
  ●11月12日(土)〜11月19日(土)      
  fuyu+(冬プラス)viisiviisi 展      
 

テキスタイルプリントデザイナーの女性グループ、viisi 、2回目の個展。日々の仕事で培われた感性を解き放ち、自由な発想で、布のデザイン、染色、仕立てにまで目配りしたオリジナル作品。といっても目指すのは、派手ではなく、ノスタルジックなぬくもりが感じられる作品だという。

「fuyu+(冬プラス)」と題された今回は、ウール素材を中心に、皮革などの異素材も自在に組み合わせ、抽象モチーフや動物モチーフのバッグ、マフラー、小物などが展示される。冬に向けて、装いに一品プラスしたら、心も少し軽くなりそうだ。前回同様、楽しい光景が見られそうである。

  viisi2
  ●11月26日(土)〜12月3日(土)      
  オバタクミ 銅版画展 ―Turning point―      
 

ボローニャ絵本原画展に5回入選し、イラストを中心に活躍する銅版画家オバタ クミさん、アッカ初の個展である。力みのない描線、最小限のアウトライン、ほんのりと施された色彩が印象的だ。無意識の中から見えてきたものたちを表現するというその作品は、見ているとほっと息をもらしてしまうような、心地よい異空間を描出する。

「イメージのかけらがひとつ。そしてそこから徐々に広がる風景には、自分でも気づかなかった記憶や物語がある。見る人も自分の中の『何か』に触れ、それぞれの空想や物語を広げてくれたら嬉しい」と語っている。余白の中にそっと差し出された、小さな物語に出会えるはずだ。

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2011年12月

 
  ●12月10日(土)〜12月17日(土)      
  尾形かなみ ガラス展 -room-      
 

遠い記憶やかすかな物音。やがて消え去る時の流れを永遠に留めたかのような、詩的なガラス作品で見る人を魅了してきた尾形さん。

今回のテーマは“room”。 震災後の今夏、アメリカで学び、自分が閉じこもっていた空間を可視化し、客観的に見られるようになってきたと感じたという。空気、思い出、心配事、いやな夢、自分の内に降り積もっていく層。そんな心の部屋をガラスの中の空間に置き換える。何が起きたのか、見る人の想像力をかき立て、かつ余白を残す作品にしたいと語る。

アメリカで Bertil Valleinにも賞賛されたという“room”。一回り広がった視点を獲得した尾形かなみの世界、ぜひご期待ください。

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